ハイパフォーマンスを追求するmAgic® 焼結ペースト

デバイスの電力密度が高まるに連れ、動作温度が高くなります。一方で、デバイスの長寿命化への要求は常に存在します。焼結銀ペーストは、従来の高温はんだペーストに代わる鉛フリーの製品として、強固な接合によりデバイスの寿命を最大10倍に伸ばすことも可能です。

mAgic® 焼結ペースト

エレクトロニクスアプリケーションのトレンドとして、150℃を超える動作温度、電力密度の増大、長寿命化が主流となっています。その実現には、接合材として高い融点と機械的耐久性、優れた熱伝導率、電気抵抗率の低減が要求されます。

銀ベースの焼結技術は、接着層が純銀であることから、動作温度が高い用途に適しています。また、熱伝導率に優れるのと同時に、はんだに比べて製品寿命が長くなります。

焼結材料mAgic®シリーズは、ダイアタッチ用としてパワーモジュール用途向けDCB(加圧焼結タイプ)およびパワーデバイス用途向けリードフレームパッケージ(無加圧焼結タイプ)用に適しています。加圧焼結タイプのmAgic® PE338(旧称ASP338)シリーズは、パワーサイクルテストにおいて、従来のはんだに比べ最大10倍の耐久性を示します。また、他の焼結材料と比較してプロセス圧力を低く抑えることが出来ます。無加圧焼結タイプのmAgic® DA295(旧称ASP295)シリーズは、高融点はんだの鉛フリー代替品です。この製品は半導体パッケージのダイアタッチ用として、ディスペンスにて塗布します。リードフレームパッケージあるいはLEDパッケージなどに対し、高い熱伝導性でパフォーマンスを発揮します。

mAgic®焼結ペーストの主な特徴:

  • はんだペーストと比較して最大10倍の耐久性
  • 接合層が銀のバルクとなるため、極低温から高温まで (-55〜250℃) 適用可能
  • 純銀の接合層により最高の導電性を実現
  • 増大を続ける電力密度に対応するコストを考慮すると、総コストレベルでははんだプロセスに匹敵
  • 150 W/m·K以上の熱伝導率 (加圧タイプ)
  • ハロゲン・ゼロ
  • フラックス洗浄が不要で、銀粒子の飛散も無いため、工程数が減少
  • 各種製造装置による自動化プロセスに対応する設計
  • 広いプロセスウィンドウ:
    • ステンシルライフ > 8時間
    • 加圧タイプと無加圧タイプの両方をラインナップ
    • 200〜250℃の余裕のあるプロセス温度

無加圧タイプ焼結ペースト

製品名 塗布方法 対応表面 焼結温度 焼結雰囲気 備考
 mAgic® DA295 A ディスペンス Au, Ag >200 °C Air, N2 針の直径>0.2mm
ダイサイズ<4mm2>で良好な結果
ENIGプリント基板の表面に最適化

加圧タイプ焼結ペーストシリーズ

製品名 塗布方法 対応表面 ダイサイズ 焼結温度、圧力 備考
 mAgic PE338 印刷 Au, Ag, Cu 15x15mmまで >230°C、大気中またはN2
>10MPaまたは30MPa (Cu)
セラミック基板上でのSiC、GaNダイアタッチに最適
 mAgic PE338 F1510 印刷 Au, Ag, Cu 15x15mmまで >230°C、大気中またはN2
>10MPaまたは30MPa (Cu)
セラミック基板上でのSiC、GaNダイアタッチに最適
SiCパワーデバイスに最適化済み