エレクトロケミカルマイグレーションとは、電子部品の信頼性や寿命に悪影響を及ぼす腐食の一種で、回路基板の製造工程や外的要因による水分が原因で発生します。小型化によって導体経路間の距離が極めて小さくなると、電界強度が上がり、エレクトロケミカルマイグレーションのリスクが高まります。一つの例として、自動車の制御ユニットが挙げられます。温度変化が激しいため結露が発生し、水分が回路基板に到達する可能性があります。この水分がフラックス残渣と組み合わさると、デンドライトの形成などの望ましくない反応が起こり、最終的にはショートに至る場合もあります。
Microbond® SMT650はんだペーストは、一貫して高い表面抵抗を実現し、エレクトロケミカルマイグレーションを防止します。また、特別に開発されたF650フラックスシステムは、さまざまな合金と組み合わせることができます。F650フラックスシステムとInnolot®合金の組み合わせは優れた信頼性を実現し、特に自動車産業におけるシステムの小型化に寄与します。本製品の材料組成は一貫して高い表面抵抗を示すため、エレクトロケミカルマイグレーションを防ぎます。さらに、Microbond® SMT650は、コンフォーマルコーティング、はんだレジスト、能動・受動素子、さまざまなプリント基板材料およびそれらの組み合わせに対応しています。熱機械的要求の低い用途向けに、錫-銀-銅合金(SAC)のMicrobond® SMT650はんだペーストも提供しています。
Microbond® SMT650の主な特長
- 微細フィーチャ用途でのエレクトロマイグレーション防止 – 各種の表面絶縁抵抗(SIR)試験1500時間経過後において、デンドライトの成長とエレクトロケミカルマイグレーションは観察されません
- Innolot®合金との組み合わせによる優れた熱機械的強度
- 透明な残渣
- 優れた印刷性
- 効率的な濡れ性
- 残渣は幅広いコンフォーマルコーティング材料に適合
- ファインピッチ用途に適したタイプ4粉末